未来ワークショップの提案
地域マネジメント実習で、和気町役場に行かせていただきました。和気町は自然が豊かな上に交通の便がよく、移住者に人気のある町です。
私たちの実習では、移住者の支援業務の手伝いをさせていただくこともありましたが、メインは未来ワークショップでした。
和気町では、ちょうど総合計画策定を策定する仕事の最中で、その一環としてワークショップを行うことになっていました。私は、ワークショップの事例を調べているときに、千葉大学の倉阪秀史教授が開発・実践されている未来ワークショップのことを知りました。和気町に提案したところ採用され、未来ワークショップを行うことになりました。
未来ワークショップでは、地域の未来を予測したデータを集めて未来カルテを作成し、それを参加者に伝え、地域の将来への理解を深めてもらったうえで、あるべき未来を考え、バックキャスティングの方法で、これから行うべき取り組みについて、提言を行うものです・
バックキャスティングとは、現在の姿から未来を考えるのではなく、未来のあるべき姿から未来を起点に解決策を見つける思考法です。これにより、現在行っていることの延長ではない、飛躍的なアイディアや新しい発想が生まれやすいことが期待されます。
未来カルテの作成と未来ワークショップの実践
未来ワークショップで使用する未来カルテは、私たちが作成させていただきました。未来カルテの元データは、千葉大学の倉阪先生が作成している計算ソフト(注1)を使用させていただきました。一部、地域経済分析システム(RESAS:リーサス、注2)のデータも使用しました。倉阪先生の計算ソフトでは、自治体コードを打ち込むと、20年後の人口データや産業のデータを表示させることができます。
ワークショップは、中学生、高校生、大学生、社会人を対象に、別々に行いました。その都度、和気町の未来カルテを説明させてもらいました。
未来カルテを使うことによって、20年後の和気町について想像しやすくなり、中学生や高校生にもわかりやすかったのではないかと思います。
しかし、バックキャスティング思考は中学生や高校生には少し難しかったのか、理想の将来像として実現不可能のような、大胆な意見は出てこなかったように感じます。
それに対し社会人は、バックキャスティング思考により、思いつかないような理想の将来像を考えていたグループが多かったように感じられました。社会人は、将来も和気町に定住し続ける人たちなので、理想を積極的に語っていたように思います。
未来ワークショップを体験し、感じたこと
未来カルテの作成と説明にもチャレンジさせていただきましたが、中学生にもわかりやすく説明することの難しさに困惑しました。
自分では、理解できますが、しかし本当にこれが中学生にも理解してもらえるのかといった疑問点が次々と浮かび、説明のための原稿を作るだけでも時間がかかりました。
資料づくりでもわかりやすい表示を心掛けました。グラフの中に大きく色のついた文字を入れたり、わかりやすいように自分でグラフを作成したり、イラストをいれたりして、興味の持ってもらえるような資料づくりを心掛けました。
今回の実習では、年代や住んでいる場所の違いなどの違いによって、現在の課題や未来の理想について、いろいろな考え方があるということに気づくことができました。
また、実際に役場の中で仕事をさせていただき、職員の方々が住民と関わる姿や、役場の外に出て、活動されている姿を見て、自分がなりたい公務員の姿がはっきりとイメージすることができた。
最後になりましたが、和気町役場の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。経験を今後に活かしていきたいと思います。
写真2:和気駅前、左手の建物がワークショップ会場
注1)「未来カルテ2050」のホームページより
http://opossum.jpn.org/%e6%9c%aa%e6%9d%a5%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%862050/
注2)地域経済分析システムのホームページより
https://resas.go.jp/#/33/33346
文責:荻野(3年生)
コメント
コメントを投稿